2015-03-05

h a n d


母の手。




ミシンで布を押さえ続けてできた
指の変形。


母は昔オーダーメイドで服を作っていたそうです。アトリエ3という名前で、三人でお店を開いたそう。
結婚して郊外へ引っ越したきっかけで辞めてしまい、3人の子育てをしながら内職で裏地などを作る仕事をしていました。
絨毯の床に散らばった布のかけら達の姿を今でもよく覚えています。
子供が大きくなるにしたがって生活の為に介護職につき、しばらくは洋裁と離れていました。
そんな母の仕事をまさか自分が後を継ぐなんて、思ってもいませんでした。

そして今、洋裁を母に教えてもらいながら、手を貸してもらいながらの日々。母は昔のやり方なのか立体裁断が得意です。パターンは母がおこして、自分が裁断し、二人で縫製をしています。
母に教わることはまだまだ山ほどあります。


先日この映画を観てきました。




映画に来ていた人たちが、母の世代の人が多くてびっくり。
みんな昔は服を作ってたんだよと母が言っていました。

私も仕立屋としてまだスタートしたばかり。
いつしか主人公の市江さんのような、市江さんのお婆様のような、母のような仕立屋になりたいと思います。

着る人の人生に寄り添う服を作りたいです。